2010年07月29日

武道禊の巻

開祖は、著書の他に伝書を残されています。『武道禊の巻』もその一つです。伝書ですので一般には目にすることは出来ませんが、田中万川先生が伝書を受けられたのか、http://www.interq.or.jp/silver/sinomori/takemusu/takemusu.essay2.htm などで断片的に存在を知ることができます。
準備体操として行なっている振魂(ふるたま)の行と鳥船の行(船漕ぎ運動)について、この伝書には次のように記されています。
「そもそも禊は大にしては治国平天下となり、小にしては修身斎下の基本たり。而して禊には種々の方式伝われり。禊に関する行事の内で、最も主要なる神事は振魂の行なり。
之には種々の方式あれども、普通の場合には両掌を臍あたりの前方において十字形に組み合せ、渾身の力をこめて神名を称えながら、自己の根本精神を自覚して、盛んに猛烈に数十分及至数時間連続して全身を振い動かす行事なり。(略)
天の鳥船の禊
之は神々が、天の鳥船に乗り給いて大海原を横ぎり給ひし大雄円をしのびつつ渾身、特に臍の辺りに力をこめ気合と共に櫓を漕ぐままの動作を百千回反復する行にして、運動それ自身にあたいあるのみならず、之に依りて合気の練習も出来不智不識の間に衆心の一和する禊なり」
『霊界物語75-1-1(天祥地瑞 禊の神事)』(昭和8年11月記録)に同様の、「之は神代の神々が天の鳥船に乗り給ひて大海原を横ぎり給ひし大雄図を偲びつつ、渾身特に臍の辺りに力を込め、気合と共に艫を漕ぐままの動作を百千回反復する行事にして、運動夫れ自身に価値あるのみならず、之に依りて気合術の練習も出来、不知不識の間に衆心の一和する禊なり」という文があります。
ほぼ同じ内容なので、『武道禊の巻』の内容を知りたければ、『霊界物語75-1-1 禊の神事』 http://reikaimonogatari.net/index.php?obc=rm7501 を読むのが良いでしょう。
植芝吉祥丸道主によると、振魂や鳥船などは、神道家の川面凡児(1862〜1929)の禊流神伝を参考に取入れたもののようで、開祖自身が稽古の前にこの行を行なうようになったのは戦後のことであったと記憶します、とのことです。想像するに、開祖は、戦後、行法を川面凡児が再興したものから学び、伝書をまとめるに際して『霊界物語』の文章を引用したのではないかと思われます。出口王仁三郎聖師は、昭和8年(1933)に「禊の神事」を口述する前に、川面凡児の禊法を修得して、行法として取入れていたと考えられます。
田中万川先生は、昭和11年(1936)に入門し、昭和14年(1939)に戦地に召集され、戦後は昭和26年(1951)に1か月間、岩間で開祖の教えを受けています。その後、大阪支部で1年間開祖の教えを受けた後、道の奥呈を伝授されたとのことなので、この伝書はその時に与えられたものではないかと思います。
posted by 八千代合気会 at 04:26| お勧めの本